研究概要

代表者氏名佐藤 曉美(さとう あけみ)
代表者所属機関立教大学大学院コミュニティ福祉学研究科
役職・課程博士課程後期課程3年
助成年度2012年度

研究テーマ

公的介入と継続支援による介護配偶者の環境改善効果の考察

研究概要

 本研究の目的は、自治体のもつ個人情報を地域包括支援センターに提供することで、社会との関係を閉ざして孤立する介護配偶者に対して介入し、サービス情報の伝達によって生活環境の改善が行われる有効性を検討することにあった。対象者の全戸訪問で明らかになった生活実態から、介護配偶者の孤立するプロセスを導き出した。介護配偶者の社会的孤立の要因は、在宅という親密圏における困難な介護のために社会から隔絶されている人、介護負担のために抑うつ傾向が高くなっている人、日常の介護生活のため自分の生活をあきらめている人、そして孤立する意識もなくサービス情報が欠如している人たちによって構成されていた。その結果、孤立する介護配偶者の多様なニーズに応じて医療・介護・福祉等のサービス情報を伝達するなど、継続支援で関わることによる日常生活の環境改善効果から、虐待の早期発見、介護殺人・心中および孤立死の予防の可能性が示唆された。