研究概要

代表者氏名尹 一喜(ゆん いるひ)
代表者所属機関東洋大学大学院福祉社会デザイン研究科
役職・課程博士後期課程
助成年度2013年度

研究テーマ

介護者が求める介護者支援 -「介護者の会」による支援に着目して-

研究概要

 本研究は、介護終了者に焦点を当て「介護者の会」参加によってもたらされる介護者への影響を明らかにするとともに、どのような意図で会に参加し、実際に何が得られたのか、介護が終わっても継続して参加している理由は何だろうか。以上3つの課題を明らかにすることを目的とした。「介護者の会」に参加した経緯は、自発的参加、紹介による参加に分けることができた。「介護者の会」参加前後の変化は、情緒的サポート、手段的サポートに分けることができた。また、「介護者の会」以外からの支えは、家族・親族、専門職、知人・友人にまとめることができた。介護を終了後も継続して「介護者の会」に参加している理由は、会のため、自分のため、社会のために分けることができた。参加前後の変化には情緒的サポートに大きな影響を受けていることが見受けられた。家族・親族からは直接介護より、情緒的に支えられていることまた、家族には援助を求めないケースもあった。専門職に関しては、すごく助かった、全く助けにならなかったという2つの意見に分かれた。なお、介護を終了後も継続して「介護者の会」に参加していることで「介護者の会」内での活動から地域・社会の活動に広がっていることが明らかになった。
 今後、介護終了者の役割と支援者としての可能性について明らかにするとともに、その知見を介護者支援に活用していくこと、また彼らが介護者を支援する一つの社会的な資源としても重要な存在になってくると考える。