研究概要

代表者氏名日下部 尚徳(くさかべ なおのり)
代表者所属機関大妻女子大学文学部コミュニケーション文化学科
役職・課程専任講師
助成年度2013年度

研究テーマ

多様な社会背景における被災コミュニティの復興課題に関する研究-バングラデシュを事例として-

研究概要

 歴史的にみてもインド亜大陸は大型の熱帯低気圧(サイクロン)によって多くの人的被害が発生している災害頻度の高い地域である。大規模災害としては、現在のバングラデシュ地域において、1970年に50万人、1991年には14万人の人びとが命を奪われている。これらの背景のもと、本研究ではバングラデシュにおけるサイクロン防災の現状を概観した上で、現地調査を通じて被災コミュニティの再建課題を検討し、防災政策に資することを目的としている。調査対象地としては、2007年のサイクロン「シドル」被災地域と、2009年サイクロン「アイラ」被災地域を設定した。両地域の被災者への質問紙調査およびフォーカス・グループ・ディスカッション(FGD)を通じて、両者の復興課題を比較検討することにより、サイクロンの外力や地域差、支援団体による復興支援内容によって、住民の復興課題にどのような差異がうまれるのかを明らかにし、それをもとに被災住民の視座から復興課題の再検討を試みるものである。