研究概要

代表者氏名須賀 朋子(すが ともこ)
代表者所属機関酪農学園大学
役職・課程准教授
助成年度2014年度

研究テーマ

ドメスティック・バイオレンス予防教育プログラム(高校生向け)の効果研究と開発

研究概要

 本研究は高校生向けのDV予防プログラムを作成し、その効果を検討した。研究1は男女共修でおこなった。結果は「高校生へのDV予防に向けての介入研究」思春期学32(4),404-412,2014で発表済のため、そちらを参照してほしい。研究2では男子高校生234名にDV予防の授業を行い、その効果を検証した。授業前にアンケート調査を行ったところ、男子高校生は「関係性」の認識、「威圧行為」の認識が弱いことから、授業を受けることにより改善するかを検証した。
 介入群と非介入群の、授業前、授業後、1か月後、6か月後の4時点での比較を2要因分散分析(反復測定)で行った。その結果、「関係性」は、授業前から6か月後まででは、測定時点と介入の有無による交互作用はみられなかったことから、介入の有無の違いで、授業前、授業後、1か月後、6ヵ月後の関係性の認識に違いがないことが示された。
 「威圧行為」は介入前から6か月後までで、測定時点と介入の有無による交互作用が有意であったことから、介入の有無の違いで、授業前、授業後、1か月後、6ヵ月後の、威圧行為の認識に違いがあることが明らかとなった。
 これらのことから、男子高校生にプログラムを1回でも行えば、「威圧行為」についての認識は6か月後でも効果が継続するが、「関係性」についての改善は容易ではないことが明らかとなった。