研究概要

代表者氏名張 瑩(ちょう えい)
代表者所属機関大連医科大学 公共衛生学院 衛生経済教研室
役職・課程主任
助成年度2016年度

研究テーマ

中国における医療・介護の連携のあり方および診療報酬制度の構築について-日本からの示唆-

研究概要

目的:中国と日本の高齢者対策を比較したうえで、中国における医療と介護の連携のあり方および診療報酬制度の構築に関する考え方や医療・介護連携の実現のための方策について検討することを目的としている。
方法:文献調査、理論研究、ヒアリングなどを通じ、調査を実施した。
結果:日本の医療と介護の連携についての考え方は、社会保障・税一体改革の視点で、医療と介護の連携の推進が掲げられている。中国では、2015年、「医養接合」システムの構築について政策を掲げ、2017年医療と介護の連携の強化に関する「分級診療」や「家庭医契約システム」などの医療ポリシーを提出した。報酬制度には、青島市は全国で率先して「医療、ケア、リハビリ、介護」を結合させた「長期医療看護保険制度」を設立した。しかし医療及び介護を総合的に確保するための基本的な報酬制度を設けられず、また、医療と介護の連携効果がよいと評価したモードはほとんど企業家の経営戦略の視点に着目したものである。公的在宅医療センターや公的介護施設などの非営利組織は、組織間協働を促進する橋渡し役であり、主体ではない。
結論:中国における「医養接合」システムの構築については、さまざまな問題を持っている。医療と介護の連携を確保するために具体的なやり方、或いは具体的なガイドラインを策定しなければならない。