研究概要

代表者氏名國兼 明嗣(くにかね あきつぐ)
代表者所属機関新潟医療福祉大学社会福祉学科
役職・課程助教
助成年度2021年度

研究テーマ

触法障害者の福祉サービス受け入れ拡大に必要なこと
~就労継続支援B型事業所全国アンケート調査の結果から~

研究概要

 全国の矯正施設内に、福祉支援の必要な障害者や高齢者が一定数服役していることが明らかになっており、触法障害者・高齢者に対する福祉支援を専門的に行う「地域生活定着支援事業(現在では地域生活定着促進事業)」が2009年度より順次開始し、現在ではすべての都道府県において実施されている。
 福祉サービスの利用を自立へのステップとして出所後の生活を組みたくても、対象者に対するマイナスイメージが先行し利用を断られている対象者は一定数いると思われる。
 これら対象者の支援を担う福祉サービス事業所の立場に立ち、罪を犯した障害者のサービス利用の打診がどのくらいあるのか、打診があった際どのように受け入れ可否を判断しているのか、受け入れに当たっての困難性はどの様なものがあるのかといった福祉事業所側の受け入れ実態や受け入れを阻む要素を明らかにする。
 今研究では触法障害者を対象とし、障害福祉サービスの中でも、触法障害者の利用ニーズが高いと思われる「就労継続支援B型事業所」を対象として全国アンケート調査を実施する。全国の事業所のうち約15%にあたる2,065事業所を無作為抽出し、郵送による自記式調査を行う。
 また、アンケート回答事業所のなかから実際に触法障害者の受け入れ実績があり、積極的に支援を行っている事業所を3か所選定し、インタビュー調査を行う。これらの調査・分析により、今まで以上に罪を犯した障害者が福祉サービス利用に繋がるため必要なことを明らかにする。