研究概要

代表者氏名重富 勇(しげどみ いさむ)
代表者所属機関長崎県立大学看護栄養学部看護学科
役職・課程講師
助成年度2021年度

研究テーマ

精神障がい者のピアサポート活動を通して獲得する当事者の回復プロセス

研究概要

 精神障がい者のピアサポート活動の当事者を対象にインタビュー調査を行い、ピアサポート活動を通して困難を乗り越え目標を持つようになるプロセスをM-GTAを用いて分析した。その結果、障害という困難を抱えピアサポートとの出会いがあり、居場所がなく気が休まらない感覚や、振り返ると人間関係やその当時はきつかったことが甦り、作業所での出会いで他者を肯定できる認める世界へと変化していた。それは、自分の特性や障害が「自分のことがわかる」ことであった。そのなかで「仕事とピアサポート活動のバランス」をとることを考え、ピアサポート活動では、生活の一部という一体感や、時間や仲間を大切にする今を大事にすることであり、目標を見失わないために安全基地が必要であった。仕事では、職員として手一杯の感覚があるがこれまでの経験を活かし、無理しないで働く、頑張らないことを意識することで「仕事とピアサポート活動のバランス」をとっている。ピアサポート活動と仕事は表裏一体であり、ピアサポートの広がりは相互に影響をもたらし、「ピアサポーターの成長」へと発展している。ピアサポーター同士の交流の場で自分を見つけることができ、変化や気づきが得られた。そういう場が、自分のサポーター像に向かって良い刺激になることが示唆された。