研究概要

代表者氏名安留 孝子(やすとめ たかこ)
代表者所属機関千葉大学法政経学部 福祉環境交流センター
役職・課程特別研究員
助成年度2013年度

研究テーマ

インドネシアの医療制度改革の動向と課題―日本の「経験」からの示唆―

研究概要

 本研究では、インドネシアにおいて2014年から新たに導入された全国民を対象とする国民健康保険(JKN)の動向を調査し、課題を明らかにした。ボゴール市、スラバヤ市、中央ロンボク県の保健局やプスケスマス、BPJS等において、主にJKN導入後の状況や問題点、制度に対する国民の理解について調査した。その結果、①JKN導入後に国から運営規則が遅れて出されたり、従来のプログラムの成果が十分に出ないままに新しくJKNが導入されたりと、保健局やプスケスマスに戸惑いがみられる、②プスケスマスからBPJS-Kに医療費を請求する際の手続きや書類が煩雑で、支払いに遅れが生じ、プスケスマスの負担が大きくなっている、③制度の理解の不十分さから、登録手続きの先延ばしや保険料支払いの滞りがみられるという問題が明らかになった。今後の課題として、日本の経験も踏まえ、保険料の滞納や無保険状態の者の問題、プライマリケアの重要性についても言及した。