代表者氏名 | 高木 潤野(たかぎ じゅんや) |
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代表者所属機関 | 長野大学社会福祉学部 |
役職・課程 | 講師 |
助成年度 | 2013年度 |
信頼関係の形成が場面緘黙児のコミュニケーション行動の促進に与える影響の検討
本研究は、場面緘黙児は家族以外の他者に対しても信頼関係が構築できれば家庭と同じような話しことばによるコミュニケーションが可能になるかを明らかにすることを目的とした。研究①では、「家では話している」「家族とは話をする」のように言われることの多い場面緘黙児の実態を明らかにするために、質問紙を用いた調査を行った。その結果、場面緘黙児の多くは家族が相手であればよく話すことが示された。家庭ではよく話すとすれば、信頼関係が形成された相手であれば話しことばの表出が可能になる可能性が考えられる。そこで研究②では、小集団活動を通じて個別の担当者との間に信頼関係が形成されることで発話や非言語コミュニケーションが促進されるかを検討した。その結果、「身振り・表情」や「動作・態度」といった非言語コミュニケーションは小集団活動によって促進され、子どもによっては話しことばの表出もみられた。一方で、子どもからの自発的なコミュニケーションについては顕著な増加がみられない者が多かった。