代表者氏名 | 川上 浩司(かわかみ こうじ) |
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代表者所属機関 | 京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 薬剤疫学 |
役職・課程 | 教授 |
助成年度 | 2014年度 |
高齢者精神疾患の地域社会での薬物治療実態:リアルワールドデータを用いた疫学研究
背景:日本では抗精神病薬の多剤大量投与が社会問題となっている。国は高齢精神疾患患者の地域医療への移行を進めているが、外来での抗精神病薬の処方実態は判っていない。目的:地域で生活する高齢者に対する抗精神病薬の処方実態の現状を、大規模な調剤情報を用いて明らかにする。方法:2006年から2012年に抗精神病薬を初回処方された65歳以上の外来患者51,459名を対象に記述疫学研究を実施した。抗精神病薬及び併用向精神薬の処方パターン及び処方量を評価した。結果:第二世代薬の単剤処方は2006年の64%から2012年には82%へ増加した一方、第一世代薬の単剤処方は29%から12%へ減少した。多剤処方は7%から6%へと微減であった。平均処方量は1.17から1.07mg/dayへ減少した。抗不安薬/睡眠薬との併用が最も多く40%以上であった。抗認知症薬の併用処方が11%から21%と増加した。結論:外来高齢患者では多剤大量投与ではなかったことを明らかにした。