研究概要

代表者氏名大須賀 洋祐(おおすか ようすけ)
代表者所属機関日本学術振興会(宇宙航空研究開発機構)
役職・課程特別研究員
助成年度2014年度

研究テーマ

高齢夫婦の運動教室参加による長期的な運動実践率および体力医学的効果の検証

研究概要

【背景と目的】配偶者と運動習慣を形成した場合、一人で形成した場合と比較して運動習慣を良好に維持できる可能性が示されている。本研究の目的は、高齢夫婦を対象とした運動教室が、教室終了後1年間の運動実践状況に及ぼす影響について明らかにすることとした。
【方法】対象者は、夫婦で参加した68名(夫婦群)と単独で参加した59名(単独群)とした。運動習慣を形成するための運動教室を8週間開催し、運動教室終了後、対象者の運動実践状況を1年間追跡した。運動実践状況は、ウォーキング実践者と筋力運動実践者の割合から評価した。
【結果】教室終了後半年以内における夫婦群のウォーキング実践者の割合は、単独群と比較して有意に高値を示したものの、半年後の追跡調査が動機づけとなり、単独群のウォーキング実践者の割合が再増加したため、追跡期間全体(1年間)ではウォーキング実践者の割合に有意な群間差はみられなかった。筋力運動実践者の割合は、全期間を通して夫婦群が単独群と比較して高く維持する傾向がみられたが、有意な群間差はみられなかった。
【結論】配偶者と運動教室に参加した場合、教室終了後から約半年以内は単独群と比較して高いウォーキング実践率を維持できる可能性が示された。追跡調査によるチェックは、単独群への大きな動機づけとなりウォーキング実践化に結びつくことが明らかとなった。筋力運動の実践率は、夫婦群と単独群で同様に推移する可能性が示された。