研究概要

代表者氏名神谷 祐介(かみや ゆうすけ)
代表者所属機関龍谷大学経済学部
役職・課程講師
助成年度2014年度

研究テーマ

ラオス農村部における伝統的な生活様式の変容が子どもの健康に与える影響

研究概要

本研究は、ラオスの首都ビエンチャン近郊の農村部に暮らす人々の生活様式の変容が子どもの健康に与える影響について検証した。その結果、第一に、ラオスの農村部において、大人の間での過剰栄養が進む一方、子どもの間での低栄養の問題が残されるという「栄養不良の二重負荷」の存在が確認できた。特に、大人の女性は過体重者の割合が高く、また、年齢階級が上がるにつれて、その割合が上昇する傾向にある。第二に、母親や子どもの体型に関わらず、住民は主食として糯米を、タンパク源として鮮魚や鮮肉を摂取していることが分かった。一方、栄養不良(肥満または痩せ傾向)の子どものいる家庭では、栄養面で劣っていると思われる食品(炭酸飲料、インスタント麺、ファーストフード・調理済食品)を頻繁かつ多く摂取している傾向がみられた。第三に、夫婦のジェンダーバランス、親の価値観、子育てについての考え方の違いによって、子どもの体格に差異が生じている可能性が示された。