代表者氏名 | 伊藤 美智予(いとう みちよ) |
---|---|
代表者所属機関 | 認知症介護研究・研修大府センター |
役職・課程 | 研究主幹 |
助成年度 | 2015年度 |
介護施設を対象とした認知症ケアの質の評価と関連要因に関する研究
本研究の目的は,パーソン・センタード・ケア理論のVIPSフレームワークに基づく認知症ケアの質の評価指標を開発し,良好な認知症ケアに関連する要因について検討することである.
A県におけるすべての特別養護老人ホーム(n=350)を対象にアンケート調査を実施した.141施設から回答を得た(回収率40.3%).
VIPSフレームワークに基づく認知症ケアの44項目について因子分析を行い,34項目3因子からなる評価指標を作成した.第1因子は「非言語サインをキャッチして相互関係を継続していくケア」,第2因子は「これまでの生き方をふまえた“自分らしさ”が守られるケア」,第3因子は「認知症の人の尊厳を守るための組織マネジメント」と名づけた.3因子を目的変数とする重回帰分析を行った結果,「人材育成の充実度」がすべての因子と有意に関連していた.
認知症ケアの質の向上には,人材育成の取り組みが重要であることが示唆された.今後,どのような人材育成の取り組みがより効果的か検証することが課題である.