研究概要

代表者氏名矢野 芳美(やの よしみ)
代表者所属機関名寄市立大学保健福祉学部看護学科
役職・課程准教授
助成年度2015年度

研究テーマ

医療的ケアを受けながら通常の学校に通学する子どもと家族の支援に関する研究

研究概要

 通常の学校で医療的ケアの必要な子どもが充実した学校生活を送ることができるように看護師・教員・保護者インタビューを行い、支援内容や考え、課題を明らかにし、必要とされる支援や体制の構築に向けて考察していくことを目的とする。看護師、学校教員、保護者それぞれ数名に登校から下校までの支援の実際、看護師・教員・保護者との連携や協働、役割、支援体制の構築に向けて必要とされる課題などのインタビューを行った。結果、医療的ケアの必要な児童の保護者は、入学前から今日に至るまで、子どもを地域の中で育てていく事を希望して、通常の学校で他児と一緒に学校生活送れるように熱意をもって関係機関に繰り返し相談を行っていた。看護師は保護者や児童の思いに沿って、他児と一緒に学校生活が送れるように教員と共にサポートしていた。教員も保護者や児童の思いに沿って、他児と一緒に同じ体験ができるように工夫しサポートしていた。教員と看護師は一体となって授業を行うことで、授業内容に沿った医療的サポートが行われ授業の広がりがあった。そして、通常の学校で医療的ケアの必要な児童と他児が一緒に授業を受け生活することで、自然に同級生意識をもち優しさや助け合える子どもに成長していると認識していた。看護師・教員・保護者の体験から医療的ケアが必要な子どもが学校に通うためには、それぞれの立場から声を出し、話し合い、相談できる環境、受け入れる土壌づくりが大切であると考えていた。