研究概要

代表者氏名青木 裕見(あおき ゆみ)
代表者所属機関聖路加国際大学大学院看護学研究科
役職・課程博士後期課程
助成年度2016年度

研究テーマ

大人になって注意欠如・多動症(ADHD)と診断された人への支援に関する研究

研究概要

 大人になり注意欠如・多動症(ADHD)の診断を受ける人が増えている一方、診断後にADHD治療薬を導入するか否か、心理社会的治療とどう組み合わせるかなど、治療の決め方は確立されておらず、国内には成人向けの治療ガイドラインもまだない。そこで、本研究は、大人のADHD当事者と医療者が共同意思決定の手法で話し合いながら一緒に治療法を決める際の手引き(Decision Aid, DA)を開発することを目的とした。まず、治療歴のある当事者に半構成的面接を実施し、診断直後の支援ニーズを把握した。これを受け、大人のADHDの特徴と各治療法の利点・欠点等を概説したDAを試作した。その際、DAの国際基準IPDASiに沿って内容を洗練させた。つぎに、これを当事者と医療者に読んでもらい、面接と自由記載による評価を求めた。これを受けて修正し、DAを完成させた。本研究では、当事者の声も取り入れ、大人のADHDの当事者と医療者が一緒に治療法を決める際に活用できるツールDAを系統的に開発した。今後はこのDAの臨床場面での普及をはかっていく。