研究概要

代表者氏名安井 渚(やすい なぎさ)
代表者所属機関大阪大学大学院医学系研究科保健学
役職・課程博士前期課程
助成年度2016年度

研究テーマ

学校生活への移行期における双子の『ふたりの世界』と『それぞれの世界』のバランスに影響する要因

研究概要

本研究は,学校生活への移行期に挑戦していく双子の成長過程を母子相互の視点から明らかにし,この時期にある双子とその家族支援の示唆を得ることを目的とした.
半構造化面接法を用い,母親のインタビュー後,双子が描いた絵画を基に母子インタビューを行った.分析方法はグラウンデッド・セオリー・アプローチを用い,遂語録やフィールドノーツ等を分析対象とした.
対象は健康な6~8歳の双子12組・母親15例,平均インタビュー時間は母親1時間33分,母子57分であった.
双子は親密な『ふたりの世界』と,それぞれの価値観を築く『それぞれの世界』を行き来し,2つの世界の「接触」と「分離」のバランスを取りながらこの時期に挑戦していた.これらのバランスには4つの要因【独りで頑張る経験】【双子の共感】【双子としての特権と葛藤】【きょうだい役割と対等さ】が影響し,4つの要因による2つの世界の揺れこそが,この時期にある双子の成長過程と示された.