代表者氏名 | 麗麗(りり) |
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代表者所属機関 | 東洋大学大学院 福祉社会デザイン研究科 |
役職・課程 | 博士後期課程 |
助成年度 | 2017年度 |
中国・内モンゴル自治区の農牧地域における留守児童支援に関する研究
目的 本研究では、中国・内モンゴル自治区農牧地域における農村学校の農村留守児童(親が出稼ぎに行き、地元に残された親の片方が無監護能力の16歳未満の農村戸籍の子ども)を調査対象とし、T市15校の農村小中学校の農村留守児童たちの実態調査、週末帰省後の実家での暮らしの実態調査を通して、農村留守児童たちが抱えている課題と支援のあり方について検討することを研究目的とする。
方法 農村留守児童、学校教職員、保護者にアンケート調査を実施した。
結果 今回の調査結果では、まずA学校では、農村留守児童はひとり親であり、家庭内の誰かが出稼ぎに行き、残された片方が経済的に十分に稼ぐことができない人である貧困家庭の子どもを条件として捉えられていることが明らかになった。また、離婚による母親の出稼ぎが増加していること、農村留守児童に対し、保護者や学校教職員の評価基準は「勉強力や成績」のみになっていることが明らかになった。次に、A校の調査結果を検証するため、T市における15農村小中学校で実施した調査では、農村留守児童とみられる子どもたちの人数に、国が定めた農村留守児童の定義に当てはまらない子も多いことが明らかになった。そして、農村留守児童は親が「私の将来のために」出稼ぎをしているという親への思いやりがあることが明らかになった。