研究概要

代表者氏名大村 美保(おおむら みほ)
代表者所属機関筑波大学人間系障害科学域
役職・課程助教
助成年度2019年度

研究テーマ

障害児に対する保護者による虐待の防止及び保護者支援の連携・支援モデル構築

研究概要

児童相談所、要保護児童対策地域協議会、特別支援学校における、障害児への虐待の未然防止と虐待への対応・支援に関する実態把握を行い、児童虐待を発見しやすい立場にある学校や障害児通所支援事業所を含めたネットワークでの連携・支援のあり方を検討した。被虐待児に占める障害児の割合は8.3%で先行研究と概ね一致した。障害児虐待は児童虐待事案としての普遍性がある一方で、①子どもの障害による行動上の問題等による保護者の養育負担、②保護者による障害受容不全、③保護者自身の障害や世帯の脆弱性など保護者側の養育能力の問題、の大きく3つの要因が単体あるいは複合して発生に至ることが多く、また社会資源と既に接合済みである傾向がある。こうした障害児の虐待リスクや社会的側面の状況把握を児童虐待におけるリスク管理の一環として扱った上での見立て・推論や支援方針の共有や、保護者と学校・障害児支援機関との信頼関係を考慮したネットワーク内での役割分担がネットワークでの連携・支援の効果的な連携モデルとして示唆された。