研究概要

代表者氏名佐藤 寿実(さとう ことみ)
代表者所属機関北海道大学大学院保健科学院
役職・課程修士課程
助成年度2019年度

研究テーマ

インドネシアの都市スラムにおける女性の月経管理の実態および処理に関する問題点の把握と新たな月経処理方法の導入の検討

研究概要

生理用ナプキンの不適切な管理は、女性の健康だけでなく、環境にも悪影響を及ぼすことが報告されている。本研究は,思春期の少女たちのナプキンの交換や廃棄に影響を与える要因について月経・月経衛生管理(MHM)教育と飲用水・サニテーション・衛生(WASH)の観点から明らかにすることを目的とした。インドネシアの月経・MHM教育に関する資料探索と、現地都市スラムに居住する母娘および女性教師への半構造化インタビュー調査を実施した。調査の結果、少女は主に教師や母親から月経やMHMに関する知識を得ていた。大多数の少女はナプキンの交換頻度が低く、使用済みナプキンをトイレや排水溝に流す少女もいた。本調査より、学校や母親からの月経・MHMに関する情報や知識が不十分であること、学校の衛生施設が貧弱であることが生理用品の管理不良につながっていると考えられる。少女たちのMHMの実践を改善するためには、習慣やニーズを尊重した教育プログラムやWASH施設の導入が重要であると考えられる。