代表者氏名 | 橋本 和明(はしもと かずあき) |
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代表者所属機関 | 花園大学社会福祉学部 |
役職・課程 | 教授 |
助成年度 | 2020年度 |
新型コロナ禍における虐待リスク家庭への対応と課題
新型コロナ禍では緊急事態宣言が出されて自粛が要請され,いわゆる三密(密閉,密集,密接)が遵守させられる。虐待リスクを持つ家庭においては閉鎖的で密閉空間となった家庭での育児や養育は高ストレスとなり,さらなる緊張を生んでしまう。本研究では,このような虐待リスク家庭にいかなる対応や支援のあり方が必要かをインタビュー調査を実施して明らかにした。研究でわかったことは,ソーシャルディスタンスと愛着の両立を目指し,物理的に接触しなくても,心理的に接触できるといった対応の工夫をしていくことが必要であること,あいまいな喪失を伴いやすいコロナ禍での愛着の問題を抱えた子どもに,対象がいつもいることを心に刻み込ませるために,「doing」(日本語では「すること」)よりも「being」(日本語では「いること」,「存在すること」)であるかかわりが重要であることがわかった。