代表者氏名 | 柳澤 沙也子 (やなぎさわ さやこ) |
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代表者所属機関 | 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 |
役職・課程 | 助教 |
助成年度 | 2021年度 |
養護教諭が経験してきたヤングケアラーの支援の現状
【はじめに】養護教諭は児童・生徒にとって最も身近な保健専門職としてヤングケアラーの把握や支援にも不可欠な存在だが、養護教諭がこれまで実施してきたヤングケアラーの支援の実態については十分に明らかにされていない。
【目的と方法】養護教諭におけるヤングケアラーの把握・支援経験および支援の実際、養護教諭が今後必要と考える支援内容を、養護教諭およびスクールソーシャルワーカー(以下、SSW)が経験した事例を通して明らかにすることを目的として、長崎県内の小中高等学校に勤務する養護教諭およびSSWを対象として、インタビューを実施した。
【結果】養護教諭4名、SSW2名の計6名を対象にインタビューを実施した。インタビューを受けた者全員がヤングケアラーの対応経験を有していた。養護教諭は保健室内外でヤングケアラーに対応していた。学内のみならず、学外の児童相談所や保健所、行政機関等の公的サービスや住民と連携し、子どもの権利の実現に向けて対応していた。
【考察】ヤングケアラーの発見にあたり、養護教諭や担任らがヤングケアラーを発見できるよう意識することが求められる。学外の対応は、SSWや管理職、養護教諭、担任が担う場合もあった。卒業後は学校からの対応が困難となることから、在学中から行政等の外部機関と情報共有を行い、連携していくことが望ましい。
【結論】学校関係者のヤングケアラーへの理解を図っていくこと、学内外で情報共有を行うこと、市町や関係機関とヤングケアラーやケアの受け手をつなげていくことが求められる。