| 代表者氏名 | 錦織 真也(にしこり まや) |
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| 代表者所属機関 | 東北工業大学建築学部建築学科 |
| 役職・課程 | 准教授 |
| 助成年度 | 2022年度 |
公共施設の空間における子育て家族の行動と施設計画上の課題
本研究では、家庭と地域社会とのつながりにおいて重要な役割を担う公共施設の空間の利用実体とそのニーズについて、アンケートと行動調査、グループディスカッションを通して考察していった。
アンケートの結果より、公共施設は乳幼児親子の現実の外出先としても理想の外出先としても選択されておらず、公共施設の在り方を根本から改変する必要性を感じさせる深い課題が浮かび上がってきた。
外出時に困難の多い1歳、3歳の乳幼児とその親の公共施設での行動をみると、漠然と広い空間では居場所を定めにくく、休憩スペースやキッチンカーなどのちょっとした什器や可動的な設えの配置により空間を分割することで、乳幼児親子が居やすくなる可能性が示唆された。
乳幼児の親によるグループディスカッションでは、子どもを対象としたプログラムやデザインだけではなく、親の居場所や満足度を上げることも重要であることが見えてきた。加えて父親が子育てに参画していく上で、父親が居やすい雰囲気作りも大切であることもわかった。また、公共施設において他人とのコミュニケーションを求めている親子が多く、コミュニケーションを促すファシリテータの重要性が浮かび上がってきた。
以上、公共施設において、ソフト・ハードの両面で各家族における子育ての負担を軽減し、親子の体験を充実させるだけでなく、それぞれの居場所づくりや他人との関わりを求めるニーズに応えていくことも重要であることが示唆された。